不正経理は尽きない

財源はある
「本当に、本当に申し訳ありませんでした」と千葉県知事が深々と頭を下げていたが、後ろに控えていた幹部連中は、心の中で何を思うのか能面のような役人顔で控えていた。相も変わらず公務員や独立行政法人不正経理処理のことがマスコミを賑わしている。もはや誰もこのようなニュースには驚かないことが問題である。公金横領は麻薬と同じで、一度やったらやめられないようだ。

 千葉県の発表によると不正処理額は2007年度までの5年間に30億円で、全401部署のうち96%というから日常的に誰もが行っていたことになる。手口はどこでも同じであるが、物品を購入したように装い、業者の口座にプールする「預け」である。税金からくすねたこの金は、職員が自由に使うことができるカラクリである。


 同様の手口で研究費を誤魔化していたのが独立行政法人理化学研究所」の主任研究員というから驚きである。理研と言えば1910年代に設立された日本初の民間研究機関であるが、現在は国の予算、すなわち税金で運営されている。戦時中に仁科博士の指導で原子爆弾の開発研究をしていたし、ノーベル物理学賞を受賞した湯川博士や朝永博士も在籍していたことがある。現在の理事長もノーベル化学賞受賞の野依先生である。くすねた金は海外旅行、飲食代、ホテル代などに使われていたという。



 税金や会費など、時期が来れば当然に入金される金で成り立っている組織は、金を稼いだという意識がないから、金の管理がルーズになりやすい。最近の公金横領では、岐阜県庁や愛知県庁などの例があるが、霞が関を始め、税金で運営されている組織は多かれ少なかれ、税金の横領はどこにでもあるものと推測される。新政権の政策では財源が問題とされているが、全予算の10%に相当する20兆円ぐらいを絞り出すことはなんでもないように思われる。
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