JALの行く末

JALは整理すべき

 フラッグ・キャリアの腐敗と、単独機の事故として史上最悪の死者を出した1985年の日航機墜落事故を主題とした山崎豊子氏の小説「沈まぬ太陽」が映画化され10月下旬には封切られる。この映画を前に、日航の経営が危なくなり、政府保証付きの1000億円融資を受けたが、これはあくまでもつなぎで、さらに今期中に2000億円も必要とされている。

 社長が電車通勤したり、社員食堂で昼食をとったり、街頭で宣伝ビラを配布したりする姿がテレビ画面に登場しているが、この社長は何か勘違いをしている気がする。社長のするべき仕事は日航の経営再建であり、誰でもできるような仕事は期待されていない。株主はこのような社長は即刻退場させるべきだ。

 昭和26年に国営会社としてスタートした日航は、親方日の丸の典型みたいな企業で、公務員と同じで絶対につぶれないことをいいことにして、好き勝手な経営を続けてきた。小説にも描かれている通り、社内には8つもの労働組合があり、お互いに競ってしたい放題に労働条件だけ求めてきた。国際線のクルーがNY、パリーなどの一流ホテルに宿泊することも即刻中止すべきだ。


 民営化はしたものの、外資は3分の1に規制されているし、天下りの官僚経営陣が相変わらず幅を利かしているから、経営再建などはこのままでは不可能であろう。これ以上、税金投入という融資は中止して、GMと同じように法的整理をして、採算性のある国際線だけを他の航空会社に引き継ぎ、国内線だけにしたらいいと思う。新大臣の采配が問われる。


山崎豊子沈まぬ太陽新潮文庫
http://iiaoki.jugem.jp/