新政権の武器

霞が関の牙城 

 開口一番「ルビコンを渡る覚悟があるか」とか「溜まったアカとかウミを出せ」とか激しい言葉での大臣の挨拶が報道されている。神妙な顔で聞いている職員には、腹の底で納得している人はいるまい。まるで大臣が喧嘩を売っているようにも受け取れる。それだけ野党の時に、霞が関には様々な嫌がらせで苦しめられてきた経緯が想定される。


 何しろ1868年の明治維新以来、140年間にわたり、建物などのハードだけでなく、仕事のやり方やシステムを含めたソフトでも霞が関城を強固に構築してきたのである。だから政権交代などは、物ともしないと思われている。しかしながら、これまでの支配者であった自民党の絶望的な壊滅を目の前にすると、飲み込みの早い官僚たちは、元のご主人の復活は当分ないものと考え始めている。

 従って、自己保身に長けている霞が関の住人たちは、ここのところは、素早い身の転身が良いと判断するであろう。天下り廃止、出先機関廃止などと、これまで巧妙に税金を使って自分の転身先を準備してきたのであるが、また新たな保身のシステムを構築すれば良いとも考えている。

 政治主導で政策を立案すると言っても、具体的な法案作りという文章作成の作業は霞が関に降りてくるから、この時に自分たちの思いを込める絶好の機会がくる。官僚たちが具体的な法案の文章表現の中に、自分たちの権限を失わないように細工を施したり、行政が関与できる部分を差し込んで天下り先を確保したりすることは容易いことだ。これに対するチェックの方法は、「ただし書き」、「原則として」、「二重否定」など霞が関文学の常套語を全部削除することである。

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