国連総会

歴史に残る国連総会だったか

 例年の国連総会には、各国の首脳が顔を揃えることはなく、イランやベネゼラの反米大統領が米国に対して、口汚く罵ることが話題になっていた程度であった。今年は総会に続いてピッツバークで開催される金融に関するG20に参加する首脳たちが、こぞってNYに参集したし、就任後初めて国連で演説するオバマ大統領の登場で、世界中から注目された。

 


 総会に先立って開かれた気候変動首脳級会合では、2020年までに1990年時の25%削減との目標を打ち出した日本の新首相の演説が注目された。米国や中国などの主要排出国の合意が前提との注釈つきではあるが、万雷の拍手を浴びていた。外交は内政の延長上にあるから、当然の内容である。


 続いて開かれた安保理事会首脳会議では、オバマ大統領自ら議長となり、核廃絶と核不拡散決議を満場一致で採択した。今年の4月にチェコプラハで、「核兵器のない世界」の実現に向けて世界を牽引してゆくことを宣言した内容を確認した。

 国際社会における4つの重要課題、環境、テロ撲滅、核廃絶、経済のうち、日本からは環境、米国からは核問題についての提案がなされた今年の国連総会は、後世にこれらがすべて目標を達成することが可能ならば、国連にとっても歴史に残る総会となるであろう。

 わが首相は国際舞台で3つの演説をこなし、その間、米中ロなど主要国との会談をしたことで、外交舞台では順調な滑り出しをした。スタンフォード大学の大学院で学んだと言うので、その英語力に期待していたが、これだけはあまり評価できない。4段階表示では、合格最低点のC評価であろう。

 学会の発表でも同じであるが、原稿を棒読みしたのでは、その7割は聴衆に通じていない。下手でもいいから、できるだけ自分の言葉で語らなければならない。あるいはオバマ大統領のように語るふりをするのもよい。首相夫人の評価は「努力賞でございます」であった。
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