洗い出し作業

補正見直し
 前内閣が策定した約14兆円の今年度補正予算の「無駄」の洗い出し作業について、現時点では目標の3兆円を確保できない見通しとなっている。これは当然に予想されたことである。

 前例踏襲主義や無謬性主義から、お役所の仕事には間違いはないことになっているからだ。政治家から「無駄をなくせ」と言われても、「どこを見ても無駄はない」し、「優先順位をつけろ」と言われても「どれも皆大切です」と役人は返答するであろう。

 この際、マニフェストに掲げた「情報公開の徹底」にしたがって、見直しのプロセスをすべて公表して、霞が関で行われている役人の仕事ぶりを表に出すことも一つの手である。さらには、無駄な予算を出せというのではなくて、強制的に予算に番号を付けさせることだ。これにより、下位20%を切れば3兆円の確保は容易である。

 この予算は子ども手当や公立高校の実質無償化などの財源を確保するのが狙いであるが、見直しにこだわらないで、これまでの自民党のように国債を発行する手もある。無駄の削減だけでデフレ不況を加速する恐れがある。

 800兆円という国債と地方債の残高があるが、国の資産評価をすれば純債務は300兆円と試算されている。さらに、国債の9割は国民が保有しているから、ここで国債を発行しても財政への打撃は少ない。榊原教授も「日本の国家財政には決して破綻の危機はない」と断言している。
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