オバマ大統領の来日

オバマ大統領の周辺

 オバマ大統領の演説のときにはメディアセンターに100人位いた記者は、次のわが首相のときには30名位になっていた。これからみても初めにシカゴが落選するとは考えられなかった。だからIOC委員の投票行動はプレゼンの良さとか人気とは全く関係ないことが分かる。もともとIOCとかサッカーのFIFAという組織はメンバー数からみても欧州中心の商業団体であるから、いくら人気のあるオバマ夫妻が登場しても、票に結びつくはずはない。



 大統領に就任して以来、初めて味わう敗戦である。経済危機からの脱出口はいまだ見えないし、医療保険改革では共和党の反対にさらされて、就任時70%の支持率も50%まで低下している。シカゴ五輪の経済効果は2兆円と言われて、五輪開催で支持率と景気回復を狙ったが、その目論見は外れた。「喫緊の課題が山積する国政に立ち返ることを望む」とNYタイムズには書かれている。



 内政の行き詰まりを外交で打開する手法はどこの為政者でも使う手である。4月のプラハでの演説に続いて、先日の国連安保理首脳会合でも「核兵器のない世界」を目指す決議が全会一致で採択された。この理念は誰もが望むものと思うが、その裏では、米国でも新しい核開発の動きも伝えられている。核廃絶の裏には核兵器がテロリストにわたることの恐れがある。だから、今すぐに核廃棄とはならない。



 前政権から留任した国防長官は、老朽化した核弾頭を新型の信頼性のある弾頭に更新することを証言している。核体制見直しNPRは「米国は敵を抑止し同盟国の防衛を保障するため、安全で確実、効果的な核軍備を維持する」という大統領が述べている背景をなすものである。内外とも問題が山積する中で、世界の指導者としての力量を発揮してもらいたい。11月12日に来日する。

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