アフガン戦争

オバマのアフガン戦争

 アフガニスタンは帝国の墓場と言われている。古代ではアレキサンダー大王はここで死んでいるし、19世紀には英国、20世紀にはソ連がその支配に失敗している。米国は支配ではなくてテロとの戦いというが、イラクでの戦いをまとめて、こちらで戦いを続けている姿から想定すると、その背景には、アメリカの軍事産業の意思があることが想定される。

 


 オバマ政権内部でも、アフガン関係をどうすべきかの議論が続けられていて、近々、大統領も決断するものと報道されている。タリバンみたいなゲリラ相手には正規軍は勝てないというのが、ベトナムの例を出すまでもなく、歴史的な法則である。国際テロ組織の粉砕、解体、壊滅のためにはさらなる兵員の増強を要するとの主張は、必ずしも政権内でも支持されてはいない。


 「敵の所在が見えない困難な戦い」と駐留米軍の司令官が表現しているように、この戦いはベトナム戦争の二の舞となる恐れがある。多民族国家のアフガンを実質的に支配しているのは、カルザイ大統領ではなくタリバンである。タリバンは住民と密接な絆を構築しているようであるから、オバマ大統領は平和賞受賞を良い機会として、タリバン勢力と手を結びテロ組織を孤立化させる戦略をとるべきであろう。


オカダ外相は現内閣の要人と会談して、給油の代わりに民生援助をするというが、この政権を相手にしていたのでは実効性はない。アフガンでは現在、米国、EU諸国、中国、ロシアなど様々な形で復興を援助している。民主党は前から国連中心主義を唱えてきているのだから、米国と話をつけて、国連を中心とした再生プロジェクトを発足させ、これに乗る形でアフガンに乗りだせばよい。すでにアフガンにはNGOで日本は3000億円も投資しているのだから、これを無駄にすることはない。
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