二重の出口戦略

出口戦略の意味
  今週末に英国スコットランドにあるゴルフの聖地セント・アンドリュースで開催される20カ国財務相中央銀行総裁会議での主要課題は、各国の政策を相互評価する枠組みの創設、金融機関の規制強化、金融危機以降の異例な政策を元に戻す出口戦略という。
 

  政権が代わっても、相変わらずなのは日本の国際会議での存在感のなさである。特に、このG20では、過去の自民党政権が積み上げた政府債務残高がGDPの2.2倍という参加国の中でも突出した値であることが、代表の肩に圧し掛かっているからかもしれない。因みに、この値は先進国では平均1.0倍、G20では平均0.75倍となっている。

  このことで国際通貨基金IMFが最近のレポートで警告しているのは、G20でいう出口戦略とは異なる意味で、日本には特別の出口戦略が必要と指摘していることだ。このまま放置すると、この残高は2014年にはGDPの2.5倍となり、安定的な経済成長は期待できないとしている。財政赤字長期金利の上昇を招き、国債の利払い負担がさらに増加するからである。

  新政権はマニフェストに従って高福祉政策を目指しているが、このままの経済政策を続けると、日本がどのような国になっていくのか分かっているはずだ。国家戦略室という立派な組織ができているのであるから、少なくとも年末までには、お祭り騒ぎは収めて、冷静に日本の進むべき方向を示す義務と責任がある。これができなければ政権を放り出すしかない。もっとも、放り出された政権を受け取る政党も残念ながら見当たらない。
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