削減に悲鳴

削減の悲鳴が聞こえる
  これまで当然に黙っていてもカネが天から降って来ると思っていた人たちにとっては、縮減は晴天の霹靂となるのは、これまた当然のことだ。メダリスト、ノーベル賞受賞者、有名校の学長たちが揃って記者会見を開いて、予算削減はけしからんと口をそろえて嘆きの言葉を口にした。彼らに招集をかけて、削減反対の会見を開かせた連盟、機構、法人、文科省などが背景に控えていることも透かして見える。実は削減されたら一番に困るのはこれらの組織にいる天下り役人なのだ。

  ノーベル受賞者であるが、この会見に姿を見せなかったニュートリノのコシバ先生が、ずばり本質をついた発言をされている。「予算が10ついても、実際に研究者が使えるカネは1しかないのだ」と言っていた。科学未来館のモウリ館長のところにカネが届くまでには、二つか三つも財団とか機構が関与していて、そこを通過するたびに当初予算10が削り取られてモウリさんまでは2しか届かないのだ。


  JOC会長は「次の2012年ロンドン五輪ではメダル数が減ることになる」と脅すが、メダル数が減っても誰も困らないが、財政赤字が増えることはわが国にとっては大変な問題であるとの認識がまるでない。夏冬2年に一度の五輪ごとに、選手数の2倍もの役員とか関係者が物見遊山に出かけることをまず止めることだ。しかも、選手はエコノミーだが、役員はビジネスクラスが普通と言うから驚く。


  どこの予算もすべて同じようなシステムで、4500もある法人とか機構と称するところを通過するたびに、額がすり減る日本的システムを変えることが、最も重要な仕分けなのだ。1200億円もの予算で世界一のスパコンを開発するというが、実際には300億円もあれば、世界一を作ってみせると言う技術者も世界にはいる。
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