科学者たちの楽園

理化学研究所
  1917年に財界人の渋沢栄一氏が駒込に設立した物理化学の研究所で、現在は埼玉県和光市が中心となっている。東京帝国大学の大河内教授が貴族議員のときに、発明発見を事業化することを目的として、この機関を大きく発展させた。原子物理学の仁科博士がここにサイクロトロンを建設して原子爆弾の研究もしていた。戦後、大河内先生と同郷の田中角栄氏がここに肩入れをしていたことも知られている。現在の所長はノーベル化学賞受賞者の野依(のより)先生である。この研究所の研究組織はかなり複雑で外部からはうかがい知ることはできないが、研究員や技術員に対して、労働基準法に反する違法な時間外労働を行わせていたことが報ぜられている。


   問題のスパコン開発で強面の理事長が「予算削減で日本の未来に責任をとれるのか」とか「民生用に応用できる先端技術が生まれる」とか偉そうに言っていたが、この人は化学の専門家で、スパコンが何ものかを知らないようだ。スパコンとは民生用のCPUを万のオーダーで接続して並列処理させるもので、後は効率よく作業させるためのソフトの問題なのだ。ソニーのゲーム機PS3のCPU「セル」は高性能で、これを並列に沢山つなげば立派なスパコンができる。しかもこの民生CPUもムーアの法則で毎年進歩続けている。

   先にスパコンなど300億円もあれば、世界一を作れるという技術者が世界にいると書いたら、質問が来ていたが、これに明快に答えてくれたブログが登場している。権威者に弱い日本の世論を象徴しているのが、何かと言えば登場するノーベル賞受賞者であるが、殆どの受賞者は極めて専門性の高い特殊な分野での業績しかない事を想起すべきである。ノーベル賞だけが科学をリードしているわけではない。
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