政治的利用

宮内庁改革
  外国要人と日本国象徴との会見に伴ういざこざに、外野席から元首相が「国益でない、政治利用だ、強い怒りを感じる」などと、ことさらに騒ぎを大きくすることほど国益に反することはない。この騒ぎのきっかけを演出した宮内庁長官こそ、自己の利益に象徴を使った最大の政治的利用者であると思う。宮内庁は内閣の管理下に置かれているから、長官も首相の指示に従うことは当然のことだ。どうしても首相の指示に従うことに反対するなら辞職すべきである。指示に従っておきながら、実は反対だったでは、話が逆である。

  宮内庁は職員総数1000人の大所帯で、侍従長、長官など天下りの特別職が50名ほど所属している。年間予算は180億円で、内訳は皇室費70億円、宮内庁費110億円と公表されている。天下り元は厚労省警察庁、外務省など多岐にわたっている。職員の不祥事も多く、使途不明金、万引き、ひき逃げ、わいせつ罪など報じられている。皇室のことを大切に思うのなら、まずは閉鎖的な組織を改革していくべきである。皇室費よりも宮内庁費用のほうが多いのも何か庶民感覚とは異なる。

http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/