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10年で様変わりした日本の国力
  20世紀最後の年であった2000年時点で、1人当たりの国内総生産GDP経済協力開発機構OECD加盟国30カ国中、米国に次いで第2位だったが、10年たって20位にまで下がるであろう。GDP総額でも第3位になるという年である。また、世界のGDPに占める割合も、10年前には15%であったが、今年はその半分にまで低下するとみられる。この期間に、東アジアにおける値は9%から13%にまで拡大して、日本対東アジアでは経済規模が逆転したことになる。

 

  これから10年の出発に際して、日本の課題を整理して、弱みと強みを明確にしておきたい。課題の第一は、人口問題であり、少子高齢化に対する人口政策を打ち出さなければならない。第二は、研究技術開発のさらなる展開で、企業の力を強めるためには高校までの理系教育システムを充実させることが大切である。第三には、金融システムの国際化で資金の流動性を高める必要がある。第四には、財政赤字の軽減である。



  これらの課題を解決に導く糸口のいくつかを上げると、第一には、個人資産1500兆円の活用である。第二には高等教育機関の活性化、第三には、東アジア圏との生産を含めた貿易交流の拡大である。最後に、日本国内に残存している前近代的なものの考え方の革新、産業システムの更改、未だ残る規制の撤廃などがその核心であろう。供給か重要かとか、規制か自由かなどという二者択一に結論があるのではなく、年率2%程度の経済成長をいかにして続けるかにすべての選択を委ねるべきである。
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