たった一人の反乱

貴乃花の戦
   「一門から出るということです。理事選挙には出ます」と大相撲の貴乃花親方は語り、きょう行われる日本相撲協会の役員改選の理事選挙に立候補することを表明した。勝ち目のない戦であるが、その真意は分からない。相撲協会公益法人として税の優遇措置を受けながら、5大派閥で10ある理事のポストを割り振り、莫大な利益という甘い汁を吸いあっている旧態依然とした密室の組織である。

    相撲取りによる相撲取りのための組織は、ちょうど官僚による官僚のための組織という霞が関と似たようなものである。麻薬、無気力、星のやり取りなど多くの問題があって、いくら外が騒いでも、自分たちの利権維持以外には眼に入らない。2年前の不祥事で外部から役員を形だけ導入したが、非常勤で何ら発言権はない。

   貴乃花は実績から、あと数年この体質に黙って従っていれば、理事ポストは降って来ることは間違いない。ここで反旗を翻した裏には何があるのか見えてはこない。公約として掲げている内容も、待遇改善など基本的な構造改革とはほど遠いものだ。

   恐らく理事の背後で蠢くタニマチと言われている影のスポーサーの争いのように思える。もう一つは次期理事長と目されている九重親方千代の富士)に対する感情的なもつれもあるのであろう。千代の富士と言えば、現役時代では星勘定のやり取りでは有名であった。
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