教育は基本

ゆとり教育の弊害
   「加算減算よりも掛け算や割り算が優先する」という混合計算ルールを平均的な私立大学の学生の20%は理解していないという調査結果が私立大学情報教育協会から出されている。1990年代後半から大学生の学力低下が東大京大のトップ大学でも指摘されている。そのため、国公立を含む大学の30%では、高校までの内容を学び直す補習が新入生を対象として行われていると文部科学省でも認めている。



   学力の低下はゆとり教育のせいだけではなく、大学設置基準の緩みにもある。私立大学は過去30年で倍増して600校になり、2009年度は大学志願者の95%は入学して新入生となっている。もう直ぐにセンター試験が始まるが、私立大学では推薦入試やAO入試で60%が入学を許可されているから、センター試験の意味もなくなってきている。莫大なカネと時間を掛けて試験をすることは止めにすべきである。


   入学後のフォロー結果がいろいろと示されているが、推薦やAOなど試験なしで入学した学生は一般入試合格者よりも平均して成績が落ちると言う。募集停止をする私立大学も2009年度では5校となり、誰でもいいから数だけ確保しろと言う理事会の要求を入れた大学は自ら墓穴掘ることになる。大学教育の劣化は学生だけではなく、先生側にも問われている。理系の私立大学でも博士号を所持している先生は20%程度と言う。


   教育は科学技術立国の基本である。大学卒業まで22年もかかること思えば、いい加減な改革では日本の将来を暗くするだけだ。そろそろ平均的な人材を育成する現在のシステムから、トップクラスを特別に選抜して教育するシステムに変更していく時が来ている。エリート教育を進めることで、日本国のレベルを維持していくことが可能となるであろう。
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