特捜部と対決

検察と闘う姿勢
   「断固として捜査当局と闘っていく決意だ」と民主党の幹事長は強調しているが、勝算もなしに吐ける言葉ではない。よほどの自信があるのであろう。検察側も現職の衆議院議員を逮捕したのだから相当の自信があるはずだ。それにしても、この種の事件ではいつものことながら、検察側が内部情報をマスコミに流して世論を形成して手法は、法治国としては疑問だらけである。検察側のリークは国家公務員法の明白な違反だから、マスコミはそれに加担している共犯者だ。

   事情聴取や逮捕されただけでは有罪とは確定してはいないが、この段階でマスコミが犯罪者として確定したかのように報じる姿は、とても民主主義国家とはいえない。このような手法で、過去に数々の冤罪事件を警察と検察は積み重ねてきたことを知らなければならない。お上の言うことは絶対的で、これに従わなければ断罪されたのは江戸時代の話である。

   最近でも、福島県発注のダム建設工事をめぐる汚職事件で収賄罪に問われ前福島県知事は、昨年10月に出された高裁判決では被告を有罪とした一審判決を破棄し、賄賂はなかったとされた。この時にも、マスコミは東京地検特捜部のリークを垂れ流しで、前知事が極悪人のような報道が連日なされた。さすがに高裁も完全無罪ではと思ったのか、あるいは司法仲間の検察に遠慮したのか、収賄金額はゼロだが、汚職で有罪とした。裁判とはこの程度のものなのだ。

   思えば、リクルート事件ライブドア事件村上ファンド事件など検察特捜部の仕事は新興勢力に対して厳しく取り締まることで、旧体制の維持に全精力を投入することが正義の味方とでも思っているようだ。今回のことに関連して、ロッキード事件のことまで、新聞やテレビで報道されて、田中角栄氏は極悪人のように報道されているが、彼は裁判の途中であの世に行ったから、逮捕はされたが、有罪も無罪も確定していないことを最後に述べておきたい。
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