金メダルは逸したが

採点競技の難しさ
  結果が数値で表される競技は有無を言わさずと言うところがある。氷上の競技であるフィギュアは審判が客観的に採点するというが、主観が皆無とはならないであろう。確かに金メダルは譲ったが、それほど大きな点差になるようには見えなかった。「この試合はもう終わってしまっている。このオリンピックという場所なので」。4年間にわたり目標としてきた地で勝てなかった悲しさは胸を打つ。

   男子の競技でも、4回転をきれいにこなしたロシアの選手が、負け惜しみかもしれないが「技術に挑戦しないこと忘れたら、この競技の進歩はない」と述べていた。この考え方はこれまで主流を占めてきたロシアを中心とするものと思われる。現在の採点方式では、大技よりは全体の演技の完成度が主流のようだ。スポーツの世界でも競技の前に、情報戦争の重要さがある。

   トリプルアクセルという大技に精力を注いだ選手が勝てる戦いではなかったのかもしれない。「演技自体には全然満足していません」という彼女の眼には涙が浮かんでいた。まだ若干19歳だから、ここは一つの通過点で、先にはもっと重要な金メダルがあることを忘れないでもらいたい。
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