デフレ脱却の策

もっと経済の勉強を
  参議院予算委員会で「サミエルソンの経済学の本を購入されたそうですが、どれくらいお読みになられたか」との質問に財務大臣は正直に「10ページほど」などと答えていた。勉強しようという意欲はいいが、もう少し新しい経済学の本を読むべきであろう。デフレ脱却論争は相変わらずであるが、円高で中国や東南アジアから津波のように押し寄せる格安品の流入を前にして、デフレから逃れるすべは見当たらない。

  
  あせる財務大臣と金融担当大臣の両Kコンビは、財務省官僚の罠に嵌められたのか、「日銀は国債を買え」とか、インフレ目標などと口に出し始めている。金融事情にうとい両K大臣を使って、庶民を痛めつけるような政策を言わせている財務官僚は許すわけにはいかない。

  企業や銀行は資金調達のために増資をするが、これは1株の価値を減少させて株式価値を希薄にするから株主は損をするが、増資をした方はカネが入るから得をする。日銀が直接に政府から国債を買い取ることは、これと同じで、政府は得をするが、希薄になった国債を持たされる国民の資産は減少する。


   財政法第5条で、日銀が政府から直接国債を買うことを禁じているのは、このためである。経済成長の結果、デフレから脱却するのが王道であり、故意にインフレを起こすことは邪道であり、国民を殺すことになる。両K大臣は官僚に誤魔化されてはならない。財政は借金で残された手はない。だから両大臣は日銀に圧力をかけている。それで日銀はさらなる金融緩和策の検討に入ったというが、これが功を奏する見込みは薄い。それよりも、両大臣はパイ大きくする手立て、すなわち王道ををいろいろと検討すべきである。
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