フェイルセーフ

トヨタの設計思想
  航空機は故障すればそのまま墜落する恐れがあるから、どこかで不具合が生じても、それが他へ移ることを防ぐ設計思想が採用されている。例えば4発のエンジンのうち、3発が故障しても、残りの1発は絶対の故障しない設計になっている。このことをフェイルセイフ(fail safe design)と呼ぶ。
  

  車の電子制御スロットル・システムETCSでもこの思想が採用され、絶対的な信頼性が確保されていたはずである。そのシステムのどこかに故障が生じたら、エンジンは停止することになっている。米上院商業・科学・運輸委員会の公聴会に出席した技術担当と品質管理担当の両副社長はこのことを力説したが、議会側の疑問を払拭することはできていない。

   米国の運輸省のデータによれば、急加速とユーザーから訴えられた死傷事故は2000年から今年の2月末までに43件あり、このうち、30件は昨年10月にリコール宣言が出たからの申し立てという。死傷者は52人に達しているという。急加速に関する国内の苦情は3年間で計134件で、そのうち38件がトヨタ国交省から出されている。
   
   現在の車は窓の開閉をはじめ、すべて電子制御の塊みたいになっているから、不具合が生じても、なかなかその原因を突き止めることが難しくなっている。普通の車で、パソコンの心臓部に当たるCPUを平均100個搭載している。しかも、これらの設計から製造までを、パソコンを得意とする電機産業に依頼せず、殆ど内製してきている。要するに、電機業界の品質管理を信用してこなかった経緯がある。ここに盲点がなかったかを検証する必要がある。
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