中国はどこへ

中国経済の落とし穴
   昨年の国別輸出額で中国は、それまでのトップにいたドイツを抜いて世界一となった。今年は日本を抜いて国民総生産GDPでも米国に次ぐ世界第二となるようだ。このまま中国が世界経済の牽引車となって、リーマンショックドバイショックで世界を覆う不況を吹き飛ばせるなどと安易に考えてはいけない。

   総額50兆円もの大型景気刺激策で内需拡大策を昨年図ったが、内需はあまり変わらずに、先進諸国の不況のなかで、低価格の中国製品が世界市場を駆け巡っている。日本のデフレもこの影響が大きい。この結果、中国には莫大な経常黒字が積みあがっている。この山はやがては崩れることとなるであろう。

   国内では、この輸出で稼いだ5%程度の人々に富が集中し、残りの95%は昔のままの貧しい状態で放置されている。カネ持ちは中国製品などを買わずに、欧米や日本の贅沢品を求める。このように貧富の差は拡大する一方で、この格差もいつかは崩壊すると思われる。


   巨額の経常黒字と貧富の格差は民衆の不平不満を引き起こし、強大な共産党政権を揺さぶりかねない。対外的には軍事大国としての歩を進めながら、対内的には格差が助長する方向へ進めば、この国の未来はあまり明るくはないかもしれない。しかし中国の安定は世界の安定という状態だから、時限爆弾を抱えているような気もする。
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