白バイ冤罪事件

高知の白バイ冤罪事件
   2006年3月3日に高知市で、道路を右折して横断しようとしていたスクールバスに白バイが猛スピードで衝突した事故で、そのバスの運転手が白バイ隊員を死亡させたことで、有罪となった事件である。検察側は、白バイが時速60km/h程度で走行していたのにバスが時速10km/hほどで交差点に侵入して事故が発生したと主張している。


    バスの運転手は衝突の瞬間、バスは完全に停止していたという。乗っていた22名の生徒も、止まっていたバスに白バイが猛スピードで突っ込んできたことを証言している。また事故の直前に白バイに追い越されたトラック運転手も、「自分は時速55km/h程度で走行していたが、白バイが猛スピードで追い越していった」と証言した。

   しかし高知地裁は「第三者の証言といえども信用できるわけではない」とこれらの証言を不採用とした。対向車線から走ってきた別の白バイ隊員の「衝突した白バイは通常のスピードだった」という証言を、「白バイ隊員の目視性は優れている」として採用したのである。第三者の証言を信用せず、身内の証言を正しいとした。

   検察側は事故から7ヶ月も経ってから「事故現場のバスの急ブレーキによるスリップ痕」の写真を提示し、これも証拠として採用され被告に実刑判決が下った。この写真を良く見ると、白バイの破片がバスの前方に散らばり、明らかにバスが停止していたことを示している。

   司法は身内に甘いと言われているが、この裁判はその典型的な例である。白バイの警官が死亡したのだから、一方的にバスの運転手に過失があったという判断をしている。この事件はKSB瀬戸内海放送の記者が克明に事件を追って記録に残している。4月16日に最終判決が出るが、また冤罪事件が出る可能性が話題となっている。

*山下洋平著「 あの時、バスは止まっていた 」高知「白バイ衝突死」の闇 出版社: ソフトバンククリエイティブ (2009/11/16)
http://www.ksb.co.jp/newsweb/indextable.asp?tid=4&sid=7
http://iiaoki.jugem.jp/