日銀の量的緩和策

広い意味での量的緩和
    日銀は昨年末に実施した新型オペによる10兆円の資金供給が今月末で終了するので、新たにその限度を20兆円に倍増した。景気の下さえとデフレ退治が目的という。これは国債社債などを担保にして市中の銀行に年0.1%の固定金利で現金を貸し出すものだ。市場全体の金利水準が下がるから、銀行融資の拡大も期待できるという。景気の支えには多少の効果はあると思うが、デフレ抑制には無力であろう。
   

    何故ならば、現在のデフレは円高を背景として、中国をはじめとする東アジアからの安価な商品が大量に日本に入ってくる輸入デフレの様相が強いからである。金利を下げたり金融緩和をしたりしても、この流れを止めることはできない。今回の日銀の措置は、デフレ対策に手詰まり状態の政府の呼応する感が強い。中央銀行としての日銀は政府からの独立性が法律的にも求められている。だから今回の措置に対して、日銀の政策委員が全員賛成しているわけではない。

    国民にとって、最も重要なことは仕事があり、安心して生活が営めることである。そのためには、従来型の輸出産業頼みの政策だけではなく、教育分野への投資、福祉や医療、医薬品など将来の市場拡大が期待される分野に絡む規制緩和、アジア需要を取り込む通商政策など次々と対策を講じていかなければならない。求められているのは輸出産業を新たな軌道に乗せることと内需型産業を新成長戦略である。
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