長官狙撃事件

警察庁長官狙撃事件
   15年前の平成7年3月30日午前8時30分頃、国松警察庁長官が登庁するため東京都荒川区南千住にある自宅マンションの玄関から出た瞬間、突然何者かに狙撃された。4発発射された銃弾のうち3発が国松長官に命中、長官は玄関前に倒れた。最大の疑問点は、お迎えの車には秘書や護衛官がいたはずなのに、犯人を追跡しなかったことだ。わずか20メートル先のところに犯人は潜んでいた。

   その後、捜査本部が懸命の捜査をしたが犯人の行方は杳として掴めなかった。現職の警視庁警察官でオウム信者である小杉巡査長が「自分が長官を狙撃した」と告白した。事件から9年後の平成16年7月、現場に残されていた10ウォン硬貨に付着していたDNAと小杉元巡査長のそれが一致したとして彼を含むオウム信者4人を逮捕した。だが、取り調べで事件につながる要件は何もでてこなかったため9月には不起訴処分となった。

  この事件は刑事部と公安部との確執が捜査のかく乱を起こしていると指摘されている。このため捜査も一枚岩という訳にはいかず、通常の刑事捜査と思想犯を重点におく公安捜査が全く異なる観点で捜査をしている点で犯人に到達できなかったと批判されている。地下鉄サリン事件から10日後ということで、誰しもその関係者と考えたのが、捜査を遅らせた原因であろう。先入観にとらわれず、もっと幅広い捜査をしてこなかったことが警察庁の最大の汚点である。のべ50万人の捜査員を動員し、推定30億円もの国費を使った責任は問われなければならない。
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