ハヤブサの帰還

イトカワ
  宇宙が話題になっているので、思い出したが、7年前に一つの小型衛星ハヤブサが地球を飛び立った。エンジンの耐久テストを兼ねて、目的地は地球の隣の火星軌道と同じような運動をしている小惑星イトカワである。太陽系惑星の誕生の謎を解くために、ここの岩石を採取してくる使命が課された。片道2年で往復4年であるが、すでに7年経過しているのに、まだ宇宙空間を飛び回っている。

  いくつかのトラブルがあったが2007年5月に全長500メートル程度のイトカワに到達して、岩石の採取を行った。その後、帰還の命令を出したが、探査機ハヤブサは思うようには帰還軌道に乗れずに、行方不明になったりしたが、このたびようやくこの6月には地球に帰れる軌道に乗せることができた。

  回収地点はオーストラリアの中央砂漠地帯というが、カプセルを無事回収して、この中に岩石のサンプルが入っていたら、日本の宇宙技術としては昨年の月観測探査機かぐやと同様に画期的な出来事である。有人宇宙飛行をしなくても、それ以上の成果を上げていくことこそ、日本の目指す宇宙開発だ、



イトカワ画像
糸川英夫教授:六本木のあった東大生産技術研究所の教授で日本の宇宙開発の父である。彼は戦後の貧しい開発環境の中でロケット開発に全精力を傾け、宇宙開発理解の無かった国家や企業を必死で口説き落として、ロケット開発の援助の約束を取り付けた。1935年工学部航空学科出身であるから、現在、宇宙にいる野口、山崎両氏の大先輩である。
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