事業仕分け第2段

事業仕分けの限界
   行政刷新会議が行う独立行政法人を対象とした事業仕分け第2弾が始まった。多くの一般傍聴者が集まり、関心の高さがうかがえる。首相は「長年の天下りなどの垢というものを完全に洗い流す。そして大掃除をやってもらう。その思いに私としても大いに期待をしています」と述べているものの、早くもその限界が見えてきている。

   前回の仕分けでは、その場では、仕分け側が議論で押しまくり、かなりの無駄な事業を切り飛ばしたが、削減代は期待額の5分の1程度の5000億円にしかならなかった。これは官僚に取り込まれている各大臣が力を発揮したからである。今回の仕分けの場のニュースを見る限り、前回とだいぶ様子が違っている。まずは、仕分け側の質問の言葉遣いが丁寧すぎて、全く迫力が無くなっていることだ。


   言うまでもなく官僚は学習が得意である。前回は、政治家や大学教授の質問ぐらいは、簡単にしのぎ切れると馬鹿にしていたのではないだろうか。これでならないと、今回は得意の学習能力が読みがえり、出題の傾向と対策をがっちりしてきているから、独法の壁を突き破ることは仕分け人にとってはかなり難しいように思える。


   長年にわたりその世界で生きてきた官僚は、行政のプロであるし、内容を熟知している。さらに、攻撃側の仕分け人の思いに対して、自分の城を守る意気込みの方がはるかに高いように思う。要するにプロとアマの戦いのようで、仕分け側の政治家は選挙がかかっているから兎も角としても、教授や経済人の民間側の仕分け人には、委員としての報酬だけで、ここで頑張っても自分の業績として評価されることはない。これでは勝負は見るまでもない。


   究極の仕分けは、名古屋市の市長が公約しているような、国会議員の定数と報酬の削減である。政治家は職業ではなくて、あくまでも国に対する奉仕活動であるとの意識を定着することで、税金で養われている全公務員の意識を変えることができる。日本を財政破綻から救うには、自分のためではなくて、人のために役に立つという精神の復活が必須である。
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