消えた官房機密費

官房機密費

  1998年に小渕内閣官房長官を務めた野中広務氏が、先日放映された官房機密費の真実という番組で、年間12億円もの内閣官房機密費の使途を暴露した。自民党最後の麻生内閣官房長官だった河村建夫氏はどさくさまぎれに、2億5千万円もの官房機密費を持ち出したことで、大阪市の市民団体から告発されているから、穏やかではいられないだろう。

  

  野中氏は番組で「総理の部屋に毎月1000万円、衆院国対委員長参院幹事長に月500万円ずつ持って行った。政界を引退した歴代首相には盆暮れに毎年200万円、外遊する議員に50万〜100万円、小渕元首相から家の新築祝いに3000万円要求された」などと衝撃の告白をしている。


  野中氏には嘘を言う理由がないから、98%真実の話であろう。公私混同どころか、これこそ税金泥棒と言うべきか、公金横領というべきか歴代自民党政権の最大の汚点である。野中氏の話はこれだけに留まらず、政治評論家やタレントに対しても、マスコミ対策として、盆暮れには何がしかのお届けをする慣習も存在していたという。毒まんじゅうを口にした評論家やタレントたちが、どの程度いたのかは分からないが、これこそ、国民のカネを使った自民党政権による民主主義の破壊工作というべきであろう。受け取りを拒絶した政治評論家の名前は公表されている。


  民主党政権になってから、官房機密費を公開するといいながら、依然として明らかにされていない背景には、このような事実があり、うかつに公表すれば、大騒動になりかねないからであろう。現在、自民党政権の悪弊が継続しているとは思はない。何故ならば、新聞やテレビの現政権に対する批判の質と量は、自民党政権時代の比ではない事は誰でも気が付いているであろう。
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