誤り発注の悲鳴

キーボードの責任ではない

  パソコンのキーボードの配置はタイプライターからきていることは想像できる。よく使う文字を傍に置くと、立て続けに傍のキーをうつことで、機械的なトラブルが起きないように配置されている。タイプライターが生み出された初期のころに、セールスマンがキーを示しやすいように、TYPEWRITERの文字は一番上の行に全部配置されている。3行あるうちの、下段中央には、BNMと並んでいるが、ここで、BとMを打ち間違ったために、NYの証券取引で5月6日午後に大混乱が起きたという。Bはビリオン、Mはミリオンで、それぞれ100万と10億の単位である。

  


  僅か数分間でダウ平均が600ドルも下がった。売り注文を出すときにMをBとすると、1000倍の売りとなるから、各証券会社が管理する超高速コンピュータの自動取引で、一斉に売りに出るからである。株価がある一定以上の割合で下がった場合に、損失を防ぐために自動的に売りを出すシステムで、売りは売りを呼ぶ仕組みが働いたと推定されている。


  NY証券取引所では、この15分間で株価が60%以上変動した銘柄の取引を取り消す処置をとるという。もしかすると、打ち間違えではなくて、不正な利益を得る目的で、故意にした行為の可能性も捨てきれない。株価が下がることで利益を上げる仕組みもあるからだ。為替もこの間には大変動して、1ドル87円にまでドルは売られた。ギリシャショックのさなかに起きた、単なるミスショットであったことを祈る。
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