聖骸布

イタリア幻想曲
  5月2日にローマ法王トリノ大聖堂を訪問した。目的は公開されているキリストの遺体を包んだという聖骸布の展示会に出席するためだ。10年に1度の公開で、今回は4月10日から5月23日までである。この間、1日に5万人が訪れると言う。イタリア語でシンドーネというが、キリスト教の聖遺物の一つで、12世紀にフランスで発見されて以来、その真贋論争が繰り返されてきている。それとなくキリストの風貌と全身像が影のようにわかり、これによると、身長180センチで、体重は80キロと推定されている。
  


  この2月に雪のトリノを訪問した時には、大聖堂そのものが今回の公開のために改装中で中へは入ることができなかった。キリスト教に関心のある人には見逃すことができないものであろう。タイトルはこの聖骸布を一つの謎解きの鍵とした、内田康夫著のミステリー小説である。イタリア中北部のトスカーナの風物がよく描かれている。
内田康夫著「イタリア幻想曲」角川文庫 620円