宝の海は埋め立てられない

基地問題の解決の道
  沖縄基地問題で、首相が自ら設定した5月末の期限が近付いている。1972年5月に日本に返還されてから、38年たつが、返還されたとはいえ実質的な米軍基地としての米国の支配は継続してきた。建設時には荒れ地で周囲には何もなかった普天間であったが、今は学校や住宅地に囲まれてしまった。1996年4月に返還合意が調印されたが、それから10年もたってから、ようやく移転先として、辺野古の海を埋めてV字滑走路を建設する案が米軍と合意した。

  

  ここに出来上がる米軍の基地建設のカネは日本国民の税金で、米国が負担するわけではない。総額1兆円にもなると予想されている。これだけ立派な施設を米軍のために建設するのだから、米国側にとっては、これに代わる案があるわけがない。事実、米側はいつまでもこのV字案にこだわり続けている通りだ。

 
  この巨大公共工事は利権の巣とも言われて、すでに辺野古には土地を購入している防衛族議員も10人もいるという。それよりも沖縄の美しい海は日本の財産であるとともに、地球の貴重な生態系を保存するための資源でもある。これを税金で破壊して軍事施設を新たに建設することなどはベストの案ではなくて、ワーストの案で許されるわけがない。


  確かに首相の言動は素直すぎて、余りにもあっさりと誤りを謝罪してしまうきらいがある。しかし、歴代の首相で、沖縄の負担軽減に言及した人はいない。また、自然保護の観点から、埋め立て基地に反対していることは正しい選択と思う。首相は基地を増やすとか増強すると言っているわけではない。本来、沖縄の人たちの生命と財産を守るつもりであることは確かだ。


  ところで、現在、沖縄のGDPはその40%近くが基地経済からのもので、主力産業なのである。あとは観光とサトウキビ位しかない。このような経済構造にしてきたのも歴代の自民党政権の責任である。だから、社民党の言うように、ガムやテニアンが基地が受け入れると言っても、日本としてはおいそれと、それはよかったとはならない所に、この問題の難しさが潜んでいる。自然破壊は最小限にして、本土の自衛隊基地などへの分散移転を何とか米国にのませる以外には道はない。
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