ギリシャ語みたいだ

ギリシャ財政破綻

  紀元前2500年頃から文字を駆使し、物事を根源的なところから追求する哲学という知的な営みをしてきた文明先進国のギリシャであるが、近年、さまざまな腐敗が積もり積もって、インチキな行政が暴露されてしまった。人口が日本の10分の1程度の1100万人の小国が世界を揺さぶった。EUが10兆円、IMFが3兆円、総額13兆円でギリシャを救済するという。英語で難しいこと、ちんぷんかんぷんをギリシャ語みたいだという。どうして4000年も前に、栄光ある歴史を作ることができたのか理解しにくいことだ。

 


  ギリシャ財務相は「これまでの政権が世界を欺いた」というが、輝かしい古代ギリシャ文明からは想像もできないことである。原因はいくつかあり、産業としては観光業とオリーブなどの農業しかない国であるが、何故かとてつもない大金持ちがいる。たいてい上層階級、弁護士や医者のカネ持ちは脱税をしているし、小売店でも税金を納めないのが一般的と言われている。アングラ経済GDPの半分近くにもなり、EU内でも楽観的で「だらしがない」と見られている。だから、この国と対照的なドイツは救済に最後まで反対していた。


  もともとEU加盟の時にも、反対が多かったが、国際的な存在感や求心力を高めるために、できるだけ多くの国をEU内に取り込まざるを得なかった。これでギリシャEUという後ろ盾ができたから、ますます借金をしやすくなり、2004年のアテネ五輪ではインフラ整備などに派手に投資した。このつけも今回明るみに出た。


  アテネ市街でデモをしている人たちは、殆どが公務員で、この国で働いている人の40%は何らかの形で国が面倒を見ているという。彼らの給与は民間の3倍で、お手盛りは日本の比でないみたいだ。EUIMFも救済する代わりに、厳しい給与カット、年金削減などを要求しているからである。既得権益を取り上げられそうになったら、必死になって権益を守ろうとすることは、どこの国でも同じである。まだまだ日本の業務仕分けは甘すぎる。
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