選挙が変わる

ネット選挙開幕
  先進国ではどこでも実施しているが、日本だけはネット選挙では後進国で、中国のネット検閲と同じレベルで見られていた。ようやくこの7月に行われる第22回参議院選挙で解禁されそうだ。オバマ大統領誕生の裏にはこのネット選挙が大きな役割を果たした。選挙活動前は全く無名の上院議員だったが、ネットを通じての個人の支援者と個人献金の大きさで、大企業や大組織中心のヒラリー候補を圧倒した。巨大な個人の集合体を押しつぶすことは、どんな兵器でも不可能なことを示した。

  

  選挙の日程は、まだはっきりはしていないが、すでに、スポーツ選手や俳優などマスコミでの有名人が立候補の話題を賑わしている。こうなると直ぐに出てくるのは参議院無用論である。衆議院の定数半減は直ぐにできるかもしれないが、参議院の廃止は憲法改定が必要だから、簡単にはできない。3年前の参院選挙は2007年7月29日に実施されているから、今回の選挙日は7月11日から25日の間で行われるであろう。


  ネット選挙は投票のことと誤解している人もいるが、そうではなくて、これまでは公職選挙法では、公示日以降の選挙期間中では立候補者のホームページやブログの更新は禁止されていた。だから毎日の選挙運動の様子などをウエブに載せられなかった。これが解禁されるから、HPやブログ以外にも、流行りのツイッターやメルマガを選挙期間中でも自由に使いこなすことができるようになる。


  選挙は地盤、看板、カバンの3バンに強い候補者が有利と言われてきたが、駅前の一等地に選挙事務所を構えなくても、うまくネットという飛び道具を利用すれば、広く個人に政策やお知らせを提供することができる。有権者の方でも、空いた時間に携帯やパソコンから候補者について知ることができるし、意見や質問なども送ることができるから政治への参画意識が明瞭になる。産地からウエブで直接購入するネット販売と同じで、好きな候補者を通して政治への参加をものにすることが可能となる。


  関心を持った有権者は投票所に向かうであろうから、投票率も向上するかもしれない。ネットを軽視した候補者は苦戦するであろうし、全く無名でも、うまくネットという飛び道具を駆使することで当選できる可能性もでてきた。

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