仕分け第3弾に思う

政治主導とは
自民党政権60年というが、実際にはこの政権を支配してきたのは、霞が関であったことが、政権交代後、徐々に明らかになってきた。現政権の様々な課題に対する混迷ぶりは、政治主導を掲げるこの政権にとっては予想されたことである。自民党政権下ではいかにも整然と行政は行われているかのように見えたのは、官僚の根回しが行き届き、政治家の意見が入る余地がなかったからだ。

   閣議にかける案件はすべて閣議の前に開かれる事務次官会議にかけられて、一字一句に到るまで、官僚に不利にならないようにチェックされていたのだ。だから、自民党政権下では閣議そのものは、閣僚が署名するための儀式であった。当然に、各大臣の椅子は当選回数別に順番制で決まっていて、誰がどこの大臣になろうが、すべて世はこともなしという感じだった。要するに、官僚支配内閣制では大臣は各省庁の帽子にしか過ぎなかった。

   このような仕組みの中で、生み出されて来たのが、財政赤字800兆円であり、95%の赤字空港99であり、天下り団体25000法人である。この内、事業仕分け第3弾にかけられた法人はたったの70だけである。さすがに、3回目ともなれば、役人側もなれてきて、3年以内には何とかするなどと平気で答えている。3年たてば、すべてうやむやになり、事業仕分けもなくなることを読んでいるのだ。

   アンシャン・レジームという言葉を思い出すが、フランス革命に対して、反革命分子というか、旧体制を何とか維持したいというグループだ。既得権益に胡坐をかき、何が何でもこれを死守することに徹しているのは霞が関だけではなく、新聞やテレビなどの報道機関、土木建設業界、大学などの教育や研究機関などすべて同じである。世直しは簡単なことではない。
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