免許更新ビジネス

運転免許証の更新

  業務仕分けで対象となった更新ビジネスは財団法人「全日本交通安全協会」が実施している巨大官製独占事業である。何しろ、毎年1500万人のお客さんが、宣伝なしで黙っていても更新手続きにやってくるからである。協会が発行する安全運転に関する教本は村木春樹氏の小説などをはるかに抜き去って、毎年1500万部のベストセラーである。しかも、この本は免許更新者の殆どが読まないし見ないで、紙くずとなる。更新者はこれも免許料の中に含まれているからと思って、黙って持ち帰るだけである。

  

  その上に、知らないうちに、この交通安全協会へ加入させられてしまうこともある。加入は個人の自由であるが、同じ窓口にて一連の手続きの中に組み込まれているから、入会が義務と誤認してしまうケースがある。ある弁護士によれば、「任意であることを明示しないなら詐欺的行為だし、周りに迷惑をかけるかもしれないと心理的圧迫を加えるなど、ある種の脅迫、詐欺商法ともいえる」として、愛知県の交通安全協会を詐欺として訴訟を起こしたケースもある。


  交通安全協会の本部には3人の天下りを含めて職員29人に対して役員が48人もいる。5人いる常任役員は全員警視庁出身で、理事長2000万円、専務理事1700万円という高額の役員報酬が支払われている。仕分け人は「役員削減が講習手数料削減につながる」とし、事業規模縮小と結論付けた


  管理人はNY在住中にライセンスの更新をしたことがあるが、これは日本と比べるとはるかに簡単で、居住地にある公民館みたいなところに行くと、更新係のおじさんとおばさんがいて、数ドルの手数料で、あっという間に新しい免許証に代えてくれた。当時のNY州のライセンスは、顔写真もないような昔のことだったが、今でもそれほどに変わっているとは思えない。世界の国を探しても、日本ほどに大袈裟な更新手続きをしているところはないであろう。役人が天下り先の確保に、作り出した巧妙なシステムである。
http://iiaoki.jugem.jp/