半島の緊張

朝鮮戦争から60年
   北朝鮮は韓国哨戒艦の沈没原因について、「北朝鮮製魚雷による攻撃」と結論づけた国際軍民合同調査団による調査報告を強く非難し、「事態を戦争局面と見なす」と宣言する祖国平和統一委員会の報道官声明を出した。公開された魚雷の破片などについて「どこから持ってきたのかわからない」、「標識もない国籍不明の証拠物」などと主張して、韓国大統領を名指しで非難し、調査結果は「外部勢力と一緒に、北侵戦争の口実を作り出すために綿密に計算された挑発」だと決めつけた。

   1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争から60年を前にして、朝鮮半島情勢は緊迫度を強めているが、38度線を挟んで中国と旧ソ連がバックする北朝鮮アメリカが支援する韓国という図式とは全く国際情勢が変化しているから、多少の局地戦は避けられないかもしれないが、戦線の拡大はあり得ない。

   先日、北京を訪問した北朝鮮の代表に対して、中国国家主席は「何をしているのだ」と一喝したなどとも伝えられているが、北としては、唯一の同盟国である中国の意向は無視できない。事件が北の仕業とすると、これは外に向けたジェスチャーというよりは、北内部の引き締めのための演出とも受け止められる。韓国側としても、これまでの融和政策の失敗を認めて、対立路線に戻らないと、国内での大統領の立場が危なくなる。しかし、選挙では北に対する怒りは余り示されなかった。過去の対戦は、些細な事件から戦域が拡大して行ったが、これはあり得ない。
http://iiaoki.jugem.jp/