政治家と官僚

脱官僚
  首相の施政方針演説に対する野党からの質問で「脱官僚を止めたのか」ということに対して。新首相は色をなして反論していた。この人はさすがに市民運動から政治家を目指しただけあって、なかなか強かで変わり身も早く「官僚は大馬鹿」とか「試験だけは優秀だった」などと言っていたことは忘れたようだ。

  


  確かに、民主党政権になって、閣議の前の次官会議を廃止し政治主導を掲げてみたが、なかなか思うようにいかないどころか、政治とカネや基地問題でさんざん官僚から足を引っ張られて、幹事長と首相は退任するところまで追い込まれてしまった。新首相は国家戦略室担当であったはずだが、殆ど居眠り状態であまり仕事をせず、財務大臣になってからも大蔵官僚の意のままに動いて、「税を上げれば景気がよくなる」などと、官僚の受け売りをしていた。


  自民党時代では、閣議の前には事務次官会議が開かれ、この会議を統括する官房副長官がすべてを取り仕切り、閣議というのは全くの儀式で書類に署名するために開かれていたようなものだった。だから、霞が関の頂点に立つ官房副長官が、実質的に日本国を動かしていたようなものだった。


   政治家は選挙で国民の評価を受けるが、官僚は一度公務員試験を通れば、一生涯その身分が保障されている、だから何をしてもそのことに対して責任を負わされることはなかった。その結果が、消えた年金、役に立たないシステムや箱モノ、1000兆円にもなる巨額財政赤字などになって巨大な負の遺産となってしまった。政治家が官僚に行政を丸投げしていたことも問われなければならないが、官僚たちにも意識改革が課されている。
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