イオンエンジンのテスト

イオンエンジン
  シャトルソユーズの打ち上げに使われているロケットエンジンは、空気のないところでも使えるように、固体か液体の燃料を燃やしてできるガスを噴射する勢いで飛行していく。これでも月への往復ぐらいはできるが、真空中を長期期間にわたり飛び続けることはできない。

  


  真空中では、物体には重力がかからないし、空気抵抗もないから、少しの力でモノを動かすことができる。国際宇宙センター内には空気はあるが、重力がないから、何でも浮かんでいるので、重量物でも簡単に動かせる。このことを利用したのが、イオンエンジンである。マイクロ波のような電波をあてると、イオンが飛び出す物質があるが、飛び出したイオンはマイナスに荷電しているから、これにプラスの電圧をかけると、さらにスピードがあがり、その反動で飛行体は飛行できる。


  電源は太陽電池から幾らでも供給できる。物質としてキセノンというヘリウムやアルゴンと同じところに属している安定的な元素であるが、原子番号が54と大きいため、電波を当てると外側の電子が飛び出しやすい。この性質が利用されている。イオンエンジンは、非常に力は小さく、地球上では1円玉を持ちあげられる程度である。今回のハヤブサの飛行は、惑星イトカワへの着陸と同時に、このイオンエンジンの耐久テストが重要な課題でもあった。
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