民主党政権の方向

民主党政権のけじめ
  3年前に、時の福田首相と小沢氏が密かに会談して、自民と民社との大連合でねじれ国会を乗り切ろうとした時に、オザワ氏は「今の民主党には政権運用能力がない」と言って、党内の反対を押し切ろうとしたが、今にも政権が目の前に迫っていたので、マエハラ以下の反小沢派を説得できなかった。現在の民主党政権を見ると、あの時に小沢氏が述べていたことがある程度は正しかったことを示している。

  


  昨年の衆院選挙で大勝してから、「勝って兜の緒を締めよ」という昔からある格言を忘れて、脱官僚とか、政治主導などと当初は勇ましかったが、参議院選挙で敗北して以来、今や全く自民党亜流政権みたいで、選挙敗北の責任論すら影を潜めてしまった。それどころか、落選した大臣までも留任と言う体たらくだ。自ら責任を取らない首相、留任を断らない大臣などすべて異常なことで、内閣支持率は降下するのも当然だ。


  60年もの自民党政権時代の残滓を僅か1年で払拭することはできないことは当然であるが、鳩山内閣で就任した大臣の面々は、いざ大臣の椅子の座ってみたら、次々と官僚に取り込まれて、大した仕事ができなくなったことも事実だ。普天間問題を処理できなかった外務大臣防衛大臣、脱ダム宣言をしたはずだが、いつの間にかコスト面からダム建設に走る国交省大臣、問題山積をうまく処理できない厚労省大臣、すべて後手に回った官房長官など、オザワが予言したとおりである。


  さて、9月の民主党代表選挙を控えているが、参議院選挙で敗れて、内閣支持率は低下したが、政権は続けてよいという民意を尊重するために、8月末に迫った普天間問題をきれいに解決して、来年度予算についてもガイドラインを明確にし、強い財政、強い福祉、強い景気を目指して、民主党の当初の理念に則り、信念を貫く政治を確立してもらいたい。政治家は自分の理想や信条を貫き通せば、オバマ大統領と同じように、初めは危なっかしいが、やがてはカリスマ性も見えてくるものだ。
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