ほくそ笑む官僚たちの夏

霞が関の高笑い


  民主党が掲げていた無駄の排除と公務員改革が中途半端に終わっていることに、今度の参議院選挙で付け込んだのがみんなの党である。昨年の総選挙でのマニフェストには「天下りの背景となっている早期退職勧奨を廃止」となっていたが、いつの間にか天下りを許してしまった。「肩たたき禁止」と「人件費2割カット」と二つの公約を掲げていたが、肩たたきなしでは、窓際族が続出し給与総額は増加する一方である。結局、公約は実行できずに、各省庁とも大手を振って天下りができてしまった。

 

  その上に、世間の目を誤魔化すために、先月末、参議院選挙前のどさくさまぎれに「退職管理基本方針」なるものを閣議決定させてしまった。これは、天下りと言う言葉は使わずに「出向」という天下りの裏街道を容認させた悪質な天下り容認ものだ。天下りと言う再就職ではなくて、出向だから、名前も役職も公表する必要はないという理屈である。


  まさに、公約した天下り根絶とは名ばかりで、骨なし天下り禁止を閣議決定で許してしまう民主党政権の骨なしぶりである。これまでにも指摘してきたように、明治維新以来、営々と築きあげてきた官僚機構を支える霞が関城は、政権交代の1年で崩れるわけもない。日本を立て直すと言う断固たる信念なくして、官僚組織の改革はできない。昨年の政権交代から、僅か1年足らずで、天下りをした官僚は2000人で、さらに、出世レースからはみ出した早期退職勧奨待ちの天下り予備軍が大量に控えている。
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