日本国債の地位

国債価格の暴落

  現在、ギリシャ国債金利10%で、日本の国債は1%強である。これの意味は、ギリシャ国債は、日本のものよりも10倍もの金利をつけないと売ることができない、すなわち買い手がつかないことを表している。ところが財政赤字GDP比で見れば、日本は190%を越えているが、ギリシャは120%程度である。この差は、すなわち日本全体の信用がギリシャよりも、今のところかなり高いことを示している。

  


  このような状況がいつまでも続くのかは誰も知りようもないところに、言い知れぬ恐ろしさがある。消費税が先進諸国と比べて5%と低いことと、日本国債の95%が国内の投資家に買われていることで暴落リスクは低いと言われている。しかし、高齢化が進み、生命保険会社や年金基金などが保険や年金の支払いに追われてきているので、やがては国債の買い余力はなくなってくる。


  世界的な金融危機や欧州諸国の財政破綻などから、国際資金の流れが米国債や日本国債に避難先を見出しているにすぎない。評論家は「薄氷の上でダンスをしているようなもの」と表現しているが、この氷も少しずつ薄くなっている。護送船団方式で隣の様子を伺って牽制しあっているが、誰かが国債を手放し始めれば、雪崩現象が起こる可能性は否定できない。


  民主党政権は、財政健全化をめざすこと、税制改革に取り組むこと、国内市場の流動性を確保することの3点セットを明確に宣言することで、余計な不安を払拭することができる。経済成長の回復と財政健全化を背反させるのではなく、税率を下げることで、市場経済の成長を促し、税収の増加をもくろむ発想を大胆に進めるべきときであろう。
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