ベルリン訪問

冷戦時代の足跡

  冷戦時代、西ベルリンは東ドイツの中に浮かぶ厚い壁で囲まれた小島のようであった。ベルリンの壁がなくなると言う噂だったので、1987年に西ベルリンを子どもたちと訪問したことがある。東ベルリンへは毎日バスツアーが出ていたので、これを予約して東へ入ることができた。華やかな西ベルリンから壁を抜けて東へ入ると、そこには景色の消えた灰色一色の世界があった。

  

  先月、そのベルリンへ行ってみた。壁は観光ルートに一部残されているだけだった。近づくこともできなかったベルリンの象徴ブランデンブルグ門では、東に行ったり、西に行ったりして壁のないのを確かめてきた。当然のことながら、23年前の緊張感が全く感じられないベルリンは平和な普通の街だった。



   ベルリンの南西70キロのところにあるポツダムへは、電車で30分である。18世紀にフリードリッヒ大王がヴェルサイユ宮殿を模して建てたサンスーシ夏の宮殿など森と湖に囲まれた牧歌的な町である。1945年7月に日本との戦争終結のために開かれたポツダム会談が開かれた場所は、中心街から北にあるツエツイーリエンホフ宮殿で、木組みの高級住宅という感じであった。7月17日から8月2日まで、ここにトルーマンチャーチルスターリンなど米英ソの代表が寝泊まりして、日本に対する終戦処理について会談し、ポツダム宣言を7月27日に日本に出した。
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