景気論争

踊り場

踊り場という経済用語は、景気が上昇しているときに、その上昇が鈍り横ばいの状態になることを指している。先日、発表された4―6月期の国内総生産GDPの成長が鈍ったことに対する解釈が「踊り場に入ったと言える」というのと「踊り場入りとの表現はあたらない」と政府内での見解が分かれている。

「景気は着実に持ち直している」と言うのが政府見解だから、これに水を差すような表現は取りたくないと言うのが本音だ。しかし、誰が見ても円高、株安が進行してきているし、内閣の経済に対する無策ぶりが明らかとなっているのだから、踊り場入りと言う表現が当たっていると思う。


   官僚は言葉の魔術師であるから、霞が関には様々な文学表現があることは知られている。経済動向に対する表現は、自民党時代から経済企画庁(いまは内閣府)の出す月例経済報告の表現から月例文学などと言われてきた。個人消費、設備投資、生産状況、雇用情勢などの指標から「よわ含み」、「停滞」、「低迷」、「変化の胎動」、「持ち直す」などどのようにでも解釈できる微妙な票がんが使われて来た。

   言葉は兎も角、ドルもユーロもよわ含みで、米国も欧州も何とか輸出で経済の立て直しを図っていることに対して、日本からは「過度は困る」と明確に宣言すべき時だ。
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