経理と財務

経理と財務の違い

  ある自民党の議員が財務大臣をしていたカン氏に「経理と財務の違い」について聞いたところ、お金に関することでと言ってから、その後は、まるで頓珍漢な答えだったという。これは私的な会話程度であったが、公式には予算委員会での答弁で「乗数効果」の説明を求められたカン氏は、あたふたとチンプンカンプンの答えをして失笑をかった。その後、或る書店で経済学の本を買ったそうだが、付け刃で理解できることではない。

  


  経済学は社会科学の女王などともいわれるが、素人には経済学が実学にそれほど君臨しているようには思われない。専門家と称する人の経済予想とか株価予想が当たることは余りないことがこのことを示している。予想すれば、それとは異なることに経済は動くから、当たらないことが、まさに経済学の正しさなどと詭弁を弄する人もいる。


  アインシュタイン博士が天国に行って学者の部屋を訪れた時、この人はIQが160と紹介された時「それは素晴らしいことだ。数学や物理の議論をしよう」と述べたという。IQが120の人には文学の話をしようと言った。IQが80の人には経済学の話をしようと述べたという。ずいぶん経済学は低い地位しか与えられていないジョークである。


  さて、経済はお金と言う数値に係わることであるが、使ってしまったお金の処理という過去の話と、これからこのお金をどのように使って利益を生み出すかという未来の話がある。過去と未来と言うが、ことお金に関しては全く違った現象と理解できる。過去は確定しているが、未来は確率の世界である。過去の関しては出ていったカネか入ってきたカネかが明確で、これを処理する簿記と言う技法がある。


  未来の話で決定的なことは天体の動きと時間ぐらいで、明日の天気すら確率的なことだ。仕事とはすべて未来のことで、カネを稼ぐことは何ら確定的なことはない。国でも企業でも先の話は予想を立てて、それに従って予算を作成する。投資の世界でも全く同じで、ダウ平均が明日あがるか下がるかは数学的には0.5の確率の話である。金融と言う世界で、数学を駆使して儲けるための理論を構成した世界を金融工学と言う。
経理:Accounting(過去から現在までのこと)
財務:Finance(現在から未来のこと)
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