経済学の学習

経済学で何が解決できるか

  医学生物学系、理工系、法学系などの特殊な仕事を除いて、社会で仕事をする上での必要な学問は限られている。ビジネスとは、考えて、予算を立てて計画を立てて実行し、その結果を評価して次の行動に結びつけていく。物事を考える学問とは哲学、経済、法律、文学、歴史、物理、数学などの教養を培うものである。次に具体的に仕事を立案していくためには、ファイナンスの知識をバックとして、様々なシミュレーションをすることだが、そこで必要とされる学問は数学的知識に裏打ちされた意思決定の理論である。

さて経済学だが、学者のジョーク集に次のような話があった。アインシュタイン博士が天国で学者の家を訪問した時に、いろいろの分野の学者に紹介された。「こちらはIQが180の方です」、すると博士は「素晴らしい、一緒に数学を論じよう」と答えた。次にIQが150の人には「物理学を考えよう」、IQが100の人には「文学の話でもしよう」、IQが80の人には「経済学でも語りたい」と反応した。ずいぶんと経済学を貶めた話である。


  投機に失敗したニュートンの言葉としては「天体の動きは確実に予想できるが、人の心の中を数学的な対象とすることは難しい」がある。また、経済学の泰斗であるケインズも投資に失敗した経験から美人投票論を述べて、「自分が美人だと思う人に投票するのではなく、皆が美人だと思う人を探せ」と述べている。

  要するに、物理量は予測の対象となりえるが、経済量は予測の対象とはなりがたいようだ。未来の事象は予測できない多くに因子を含んでいる。物理学と同じように数学を駆使した現代マクロ経済理論を駆使しても、不確実性が多すぎて、学者の論文の対象とはなりえても、不況脱出とかデフレ脱却の処方箋はできにくいみたいだ。数学は自然科学の女王と言われるが、社会科学の女王は経済学といわれる由縁である。だから、誰でも学ぶ価値は十分にあるし、役に立つかどうかは度外視しても学ばなければならない。
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