外交戦略が死命を制する

戦略的外交

  本日から、11日と12日に開催されるソウルでのG20、続いて13日と14日は横浜でAPECと首脳会議が続いて開かれる。主な議題は前者では通貨をはじめとする世界的な金融と財政安定に関することで、後者は貿易を中心としたアジア太平洋地域での経済発展に関することである。

  


  議長は韓国と日本の首相がそれぞれ務める慣例であるが、主役は米国のオバマ大統領と中国の胡錦涛主席だ。二人とも韓国と日本へ来る前に、それぞれ関連する諸国を巡って、それらの成果を背景として会議で、如何にして指導権を握るかに火花を散らすことであろう。まず、主席は先週からフランス、イギリス、ポルトガルなどを歴訪して、主として大型商談をまとめている。


  中でもフランスではサルコジ大統領の肝いりで大歓迎会が開催された。エアバス100機、原発関連施設の購入でおよそ1.7兆円の商談と言う。フランスのマスコミは大統領がカネ儲けに走り、人権問題には触れようとしないから、外交の文化大革命などと皮肉っている。イギリスからは、空軍のエンジンなど3000億円の商談をまとめたようだ。


  オバマ大統領がまず訪れたのは、今後、対中国の壁となりうるインドであり、米国に不可欠なパートナーと持ち上げて、国連の常任理事国入りに対して支持を表明した。その後、インドネシアに行き、アジアにおける民主主義と自由主義の価値観を共有することに対する意義を訴えた。こうして見ると、中国の外交戦略は経済と言うカードを使って、ドルとユーロの分断を意図していることが分かり、米国は中国の周りに民主主義という城壁を築き上げることに余念がないと読める。それに対して、日本の外交戦略が問われている。

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