尖閣を語る

素人外交の結果
   尖閣事件で得たものと失ったものは何だったのか。実質的には日本の実効支配が続いているから、日本は何も失っていないはずだ。得たものとして、尖閣日米安保の対象内だという米国のお墨付きを頂戴したぐらいだ。首尾一貫性の欠けた発言やビデオ流出で機密管理のヘマがあったので、国際的な信頼や信用には多少は傷ついたかもしれない。
   

   中国側はこの事件の拡大を望んではいなかったと思われるが、日本側が国内法に従って、粛々と起訴して裁判にかけるなどと言うものだから、むしろ驚いてしまったのではないかと思う。それならば、無理とは分かっていても、尖閣は自国領土とこの際、主張しておくのも悪くないと考えたとしても不思議ではない。

   問題は反日デモが、いつ何時、中央政府への抗議に転ずるかを恐れたと思う。中央政府や国有企業の幹部クラスの年収が3000万円から5000万円に対して、内陸部の大多数の年収が、その100分の1という格差社会だから、不公平社会に恨みを持つ大衆の怒りを抑えることに必死になっていると思われる。デモでも日本を仮想相手として吠えている感じがするのも否めない。

   そうなると、政府も日本に対して、まるでやくざ者みたいに恐喝する言葉を使って、民衆に範を垂れないとおさまらなくなる。これに驚いたのは日本で、中国側の気が狂ったようなその剣幕には、いささか辟易として、起訴保留のまま船長を釈放してしまった。今では本質から離れて、映像流出の責任論となってしまったことにも、何か割り切れない感じだ。

   今後も同じことが起きると懸念されているが、隣との境界問題は、戦争でもする覚悟があるのなら別だが、ことを大きくせずに処置するにしくはない。これまでにも、自民党外交はそうしてきた。金さんの長男が成田に来た時、尖閣に中国漁民が上陸した時、すべて捕まえたが、直ぐに強制追放した。それではよわ腰と言うが、それで四海に波が立たなければいいと思う。北方、竹島尖閣のHTS問題では、常に日本の領土と言い続ける事が大切だ。
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