電子書籍化代行業

自炊代行業
   電子書籍元年と言われているが、その割には利用できるコンテンツの幅が広がらない。出版社、販売組織、書店などがすべて、書籍の電子化には疑心悪鬼となっているからだ。それならば、自分で愛読書を電子化してしまおうと試みる人たちが出てくるのも当然だ。簡単なスキャナーなら5000円程度でも手に入るが、本をばらして1枚1枚スキャンするのは容易ではない。このことを自炊と称している。






   そこで登場しているのが、自炊代行業である。書籍の電子化サービスを請け負ってくれる新ビシネスだ。本人に代わって営利目的でコピーすることは、著作権法で許される私的複製を逸脱しているから、違法とも言われている。パクリが得意な中国では、村上春樹氏などの人気作家の中国語版などが無断で電子化されて数十円で販売されているようだから、ハルキさんもビックリだろう。
  
  春ごろから代行業者が急増し、今では全国で100社に上るとみられる。代金は様々だが、1冊300ページを100円程度で請け負う業者が出るなど価格競争も激しい。注文を受け付けて郵送されて来た書籍は、専用のスキャナーでPDF形式に電子化されて、客側ではアイパッドなどにダウンロードするだけだ。


   著作権法で許された私的複製は、あくまで使用者本人がコピーを行うのが原則だから、外注は認められず違法になるとの見解が強いが、まだ裁判になったケースはない。自炊業者は、利用者の手足となって複製を代行しているだけで、全くのシロと反論している。当然に、利用者は業者を擁護する立場だ。出版社側は読者の需要に応じて、電子書籍の品ぞろえを充実させる方向に向かうであろう。
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