名古屋市と阿久根市の改革

市長の戦い 

   名古屋市阿久根市で市長が旧勢力を相手にして戦いを挑んでいる。名古屋市の河村市長は国会議員時代からマスコミにしばしば登場していた有名人だ。かたや、阿久根(あくね)市は殆どの人がどこに位置しているのかも定かではないだろう。この市は鹿児島県の北西の海岸沿いにある漁業と農業を中心とした人口2万5千人の小さな町だ。竹原市長のリコールが僅差で成立したから、来年早々に選挙となる。恐らく、彼は再び勝つだろう。何故なら住民本位の行政をしているからだ。

   二人に共通していることは、財政赤字を減らすために徹底した行政費用の削減を目指していることだ。具体的には、市会の議員定数の削減、議員歳費の半減、市職員給与の削減、住民税の減税などである。竹原氏は自分のブログで、全職員給与を公開し、住民の平均年収が250万円に対して、職員のそれが700万円と明らかにした。議会を開かず専決処分を連発する専制的な市長のやり方に反対している旧勢力がリコールを起こした。

   かたや名古屋市は人口225万人の大都会である。河村氏は政権公約で掲げている行政組織改革や住民税減税などが、議会の反対で前に進めないことに業を煮やして、議会解散のリコールに挑んだ。46万を超えた市議会リコールの署名を集めた。ところが、市議のOBで構成される選管は、リコール成立に驚いてルールを変えてしまい、審査で無効とされた署名が続出し、法定数に今一歩及ばず、リコール不成立を宣言した。

   これに対して、市長は異議を申し立てて、その結果は15日以降に出されという。逆転成立の可能性も出てきたみたいだ。市議会選挙は来年4月と確定しているから、リコールの成立、不成立に拘わらず選挙は半年以内に行われる。その上に、愛知県知事選挙もあり、河村市長としては辞表を提出して、知事選挙、市長選挙、市議会選挙を同時に行い、庶民革命を成就することに政治生命を賭けている。

   1000兆円もの財政赤字を抱える国にとっても、この二つの市の改革は、国の縮図みたいなものである。このまま放置すれば、日本国の未来の姿は北海道の夕張市に行けば、よくわかると、先日、英国のエコノミスト誌に出ていたようになる。二人の市長の戦いが注目される。
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