改造内閣の問題点

霞が関の高笑い


  民主党が掲げていた無駄の排除と公務員改革が挫折したことで、霞が関の高笑いが聞こえる。「肩たたき禁止」と「人件費2割カット」と二つの公約は完全に消えたどころか、各省庁とも大手を振って天下りをして、人件費は増大している。当初から懸念されていた通りに、民主党内閣は霞が関の開国どころか、完全に飲み込まれてしまった。いくつかの原因をまとめてみた。
 

 

  政治主導とは、政治家が政策を実施することであるが、このためには官僚の人事権を持たないとできない。民間にしろ官界にしろ、人事権なしで組織を動かすこともまとめることもできない。米国の大統領は交替すると、DCでは官僚の3分の1が入れ替わる。そうしないと、大統領は仕事ができない。官僚を甘く見て人事権に介入しなかったことが、この政権の最大の失敗である。

  公務員には懲戒免職と分限免職があり、後者は仕事がなくなったら組織を廃止して解雇できるという規定だ。これに対しては、事業仕分けでもみられた通り、廃止とか不要と決めても、ゾンビのように名前を変えたりして生き残る姿を見てきた。官僚は平気で無駄な仕事を作り、税金を使うことに必死だからだ。廃止不要と決めたら徹底的にその方向で追求しない限り、官僚は必ず生き残る。

  公務員の待遇はスト権がないから、人事院がその待遇を守っている仕組みだ。人事院も公務員だから、自分で自分の待遇を決めていることになる。この結果、民間との年間給与の差が1.5倍にもなってしまった。この仕組みを廃止できなかったことがで、官僚は歓声を上げた。

   民主党政権は自ら、官僚は優秀で中立公正と認めているが、これこそ、最大の神話である。優れていて公正ならば、年金記録が消えるはずがない。無駄な施設や建造物を作るわけがない。どうでもよい橋や道路を作らない。言いわけやできない理由を考え出すことには長けている。確かに無駄な仕事を考え出す天才的な能力があるかもしれない。仕分けでも見てきたとおり、自分たちの利益が絡むと、中立や公正の旗を簡単に踏み倒すことも平気だ。最後には、公務員改革を潰した。

http://iiaoki.jugem.jp/
http:twitter.com/#!/goroh