TPPの問題

TPPの実態

  先日、胡主席はワシントンを訪問して、過小評価で貯め込んだドルを使って4兆円ものお買い物をすることと引き換えに、国賓待遇でホワイトハウスに迎えられた。迎える方もさりながら、さすが大国のすることは違うと感心した。幸いなことに、日本にはこのような事を恥ずかしげもなく堂々とする文化はないし、政治家でできる人もいない。

  


  管首相もDC訪問を予定していたが、何か手土産はと問われて、何もないので訪米延期するみたいだ。そこで、TPP、消費税、沖縄基地問題、小澤問題と準備しているが、さしあたり先日、ダボス会議でも打ち上げてきたTPPを何とか手土産に仕立てるみたいだ。


  平成の開国などと言われると、殆どの日本人はまだ貿易鎖国状態と思ってしまう。ところが、日本の関税率は全体平均平均では僅か3%程度で、すでに裸同然の状態なのだ。農作物だって、平均10%前後で、韓国やEUの20%と比べても半分だ。


  TPPを平成の開国などと大新聞も管さんのお先棒を担いでいるが、これは、5年間で輸出を倍増させて、雇用を200万人増やすと言うオバマさんの戦略なのだ。TPP参加予定国の中で、貿易量の80%を占める日米であるから、米国が日本を標的にする理由もよくわかる。


  しかもその標的の大部分は農作物だ。日本の平均耕作面積2ヘクタールに対して、米国は180、豪州は3400だから勝負にならない。工業製品の輸出が伸びると言うが、品質に優れた日本製品は多少の関税などものともしてきていない事は実証済みだ。

   その上に、TPPは広範囲なパートナーシップ協定なので、25年前の日米構造協議SIIと同じように、米国からの対日要求24項目が並んでいる。米国に安全を保障されている見返りにTPPに参加するというなら、そのことをもっと明確に米国へ要求すべきである。

*TPP:Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement環太平洋経済協定