大学入試を止める提案

大学入試全廃
  大学入試にからみ、携帯電話とヤフーの趣味袋を使った不正があった事で大騒ぎとなった。試験の根幹を揺るがすなどと文部大臣まで出てきてコメントしている。昔から試験に不正はつきもので、中国の厳しい官吏登用試験の科挙でも、さまざまな手を使ってカンニングをしていた記録が残されている。悪意がなくても、ふとしたはずみで、隣の人や斜め前の人の答案用紙が見えてしまう事は、誰しも経験していることだろう。そして私の方ができているなどと安心する。

 

  入学試験を実施する事には莫大なカネが使われている。代表的なセンター試験を見てみよう。この試験は独立行政法人大学入試センター」が行う。この法人には毎年50億円の国家予算が使われ、役員を除く職員は80名で、平均給与は年700万円である。これに理事長など年収2000万円クラスの役員が数人在勤している。各教科に作問委員が、このセンターから極秘に2年任期で任命される。


  試験科目は国語1、社会10、理科6、数学7、外国語5あり、全部で30科目にもなる。作問委員は各科目ごとに最低20名であるから、全部で600名になる。大学の先生が主体であるが、高校の先生も入るようだ。これらの委員には手当が支給される。要するに、このテストのためだけに、如何に莫大なカネ、労力、時間、紙などが浪費されていることがわかる。試験の内容は、もちろん学問的な価値は皆無であるし、一流校に合格できる学生には易しすぎるから、優劣の判定には使えない。


  この際、莫大な労力、時間、カネ、紙を浪費する非生産的で無益なセンター試験及び入学試験の全廃を提案する。その代わり各大学では毎年進級テストがあり、これに通らないと点に応じて莫大な罰金が学生に課されて退学処分を受ける。それを避けるために、初めから自分に適した大学が選択される。また学生は必然的に勉学する事になる。途中で大学を変わる事も自由にしておく。かくして有害無益な入試がなくなるだけでなく、大学では学生は良く勉強して国のため、世界のためにも貢献できる。