交替か解散か

妥協か混乱か
   対立する二つの意見の間で、お互いに歩み寄って中を取って答申をまとめることを妥協というが、これが成立するのはあくまでも対立する二つのグループが、対等な立場にあることが暗黙の前提となっている。政府与党と野党とでは、権力の違いが明らかに異なるので妥協は成り立ちにくい。野党側が政府与党と政策協定をして妥協すれば、一方的に政府与党を利することとなる。10年前の金融危機では時の小渕政権は、野党案を丸呑みすることで生き延びたが、救済案を出した野党側は管代表とともにどこかに埋没してしまったことも記憶に新しい。世の中には野党が歩み寄れとの意見もあるが、これをすると野党は総倒れとなることは目に見えている。

      予算など政府案が通らないと、政府側からすぐ出てくる言葉は経済や国民生活が混乱するという泣きセリフである。数年目にも、日銀総裁が決まらないと日本経済は大混乱すると言っていたが、不在が決定した翌日の株価はむしろ上がり気味であったし、何も混乱は生じなかった。極論すれば総裁不要論が証明されたようなものである。減税といえば恒久減税と言われていた制度がとうとうなくなり、年度末申告で一段と増税感を感じた人も多いと思う。減税を廃止する時には混乱と言わないが、減税となると混乱が起きると騒ぎ立てる。

   解散総選挙をしない理由として、内外に重要問題が山積しているから、いま解散をすると国益を損するという。外から見てみると、いつ交代するか分からない日本国の首相を相手に、どこの首脳もまともに真面目に議論をするつもりはない。これこそ外交に差し支えがあると思う。現に、中国やロシアは、日本は何も言えないことを見越して、領土問題など言いたい放題である。このままでいいという選択はない。
http://iiaoki.jugem.jp/
http://twitter.com/#!/goroh